体が硬いを甘く見るな!学術研究でわかった柔軟性と健康の関係とは?

茨城県つくば市でパーソナルトレーナーをしている川谷 響です。

パーソナルトレーニングを初めて受けていただく際に、必ずクライアントの現在の体の状態を評価(スクリーニング)させていただきます。

その際、自分は柔軟性をよく見ます。

柔軟性というよりかは、

・体の動くべきところがちゃんと動いているか?
・筋肉の張りや緊張がどれくらいあるか?

といったところを評価させていただいています。

そうやって色々な人を見るのですが、やはり今の現代人は体が硬い人が非常に多いです。

そんなこと言ってる自分も、柔軟性にはあまり自信がありません(笑)

大学時代現役で選手をやっていた時なんかはひたすら筋トレばかりしていて、ストレッチをちゃんとやることなんてほとんどありませんでしたから(笑)

さて、皆さんは柔軟性ってどれくらい大切にしていますか?

運動を始める際に、

・体脂肪を減らして痩せたい
・筋肉をつけてかっこよくなりなたい
・運動で健康的な体を手に入れたい

そうした目的を持たれる方は多いですが、『柔軟性を高めたい』とか『体が硬いのをなんとかしたい』という人はそれほど多くない気がします。

実際に、これまで体の硬いクライアントの運動指導をさせていただいて、『体硬いですねぇ』というと、『そうなんです。体硬いんですよ~』と笑いながら答える方がほとんどでした。

体操選手やアスリートは別として、一般の方は体の見た目や健康面を大切にする人は多くても、自分の体が硬いことにはあまり関心がない方が多い気がします。

ですが、体が硬いのって実は健康面でも体づくりの面でも非常にマイナスなんです!!

どのような目的で運動をするにしても、体の柔軟性を高めることはまず何よりも大切だと考えます。

今回は体が硬いと損をしてしまう理由についてお話ししたいと思います。

体が硬いと血管も硬くなる!?

体が硬いと何が問題かということに関して、とても興味深い研究報告があります。

下の図をご覧ください。

体が硬いを甘く見るな!学術研究でわかった柔軟性と健康の関係とは?
引用:Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening/ Yamamoto. K et al (2009)より

こちらはNational Institute of Health and Nutritionや東京大学、立命館大学などが共同で行なった研究調査で、人の年代別(若年・中年・高年)に見た体の柔軟性と動脈の硬さの関係を見た図になります。

この図を見ると、中年から高年にかけての年代では、体の柔軟性と動脈の硬さに有意な相関関係があることが明らかになっています。

つまり、体が硬ければ硬いほど動脈も同じように硬くなってしまう(動脈硬化が起こる)危険があるということがわかったんです!

この研究だけでは、一概に体が硬い=血管も硬いということは言い切れませんが、体が硬いと血管にも悪い影響があるかもしれないということが明らかになった研究と言えます。

人は血管とともに老いる

これはアメリカの内科医であるウィリアムオスラーが残した言葉です。

現代の日本の三代死因は、

1位 がん
2位 心血管疾患
3位 脳血管疾患

と言われています(今年は肺炎が3位に上がっているようです)。
(参考:厚生労働省より)

こうした中で、死に直結する病気の多くは血管が問題を起こす、もっというと動脈硬化によって引き起こされていることがほとんどです。

生活習慣病と言われる高血圧や糖尿病、高脂血症、肥満、メタボなども何が怖いかと言えば、全て動脈が硬くなってしまうのが怖いわけです。

全ての健康的な体づくりや健康増進は、柔らかい血管を保つことにあると言っても過言ではありません。

そうした血管の硬さが、体が硬いことによっても失われてしまうとなると、結構柔軟性って大切なんだなぁと思いませんか?

体が硬いと体づくりにもマイナス

特にここまで聞いても、

『別に健康のためじゃなくて痩せたくて運動してるから体硬くてもいいんじゃない?』

と思う方はいるでしょう。

筋肉つけたいだけだから別に体が硬くても構わない。

自分も筋トレ命の時代だったころはそうでした(笑)

ですが、実際にそうした見た目を重視する体づくりにおいても柔軟性はとても大切です!

その理由としては3つあります。

①エネルギー消費量が上がる
②トレーニングの効率が上がる
③体の回復力が上がる

  1. エネルギー消費量が上がる

    まず、ダイエットや脂肪燃焼という点に関していうと(ほんとは食事が大切なのですが)、柔軟性があれば運動によって効率よくエネルギー消費量を上げることができます。

    運動でエネルギー消費量を上げるために一番大切なのは、筋肉を動かすことですね。

    筋肉は伸びるか縮むのどちらかしかできないので、エネルギーをめいいっぱい消費しようと思ったら、筋肉が最大限に伸び縮みしてくれることが重要になります。

    物理の話になってしまいますが、エネルギー消費量は筋肉が動いた仕事量に比例します。
    (参考:ストレッチまるわかり大事典/長畑芳仁体が硬いを甘く見るな!学術研究でわかった柔軟性と健康の関係とは?より)

    なので、体が硬い=筋肉があまり伸び縮みできない状態で運動しても効率的にエネルギー消費量を高めることは難しいと考えられます。

    なので、柔軟性を高めて運動すれば効率的にダイエットもできるようになるというわけです!

  2. トレーニングの効率が上がる

    ボディメイクにおいても、柔軟性が高い方がトレーニングの効率がグンと上がります。

    筋肉をどれだけ最大限に使って疲労させるかということが筋肉を鍛えるための大切なポイントです。

    例えばスクワットにしても、膝を軽く曲げる程度のスクワットと下まで深くしゃがみこむスクワットではきつさが全然違いますよね。

    使われる筋肉のボリュームも少なくなってしまいます。

    体が硬くてスクワットが上手くしゃがめない体では、それだけトレーニングで得られる効果を逃してしまうことにもなるわけです。

    ところで、ボディビルダーって実は体が柔らかいってご存知でしたか?

    体が硬いを甘く見るな!学術研究でわかった柔軟性と健康の関係とは?

    ボディビルダーと言えば、ゴリゴリの筋肉でいかにも体が硬いと思われがちですが、見た目のいい綺麗な筋肉をつけるためには筋肉の柔軟性が非常に大切だそうです。

    それこそ、普段の筋トレを可動域をめいいっぱいに使ってトレーニングを行うことがストレッチになるので、ボディビルダーの皆さんは普段のトレーニングから可動域を意識されているんだと思われます。

    このように、ダイエットやボディメイクにおいても柔軟性は間違いなくあった方がいいと考えられます!

  3. 体の回復力が上がる

    もう一つ、体の回復力が高まることも一つのメリットと言えます。

    実際、柔軟性があれば体の回復力が高いという明確なエビデンスはありません。

    ですが、傾向として体が硬い人は筋肉が常に緊張していて疲れやすい体になっていることが多いです。

    よく中高年の方を指導させていただくと、『力を抜いてくださーい』と言っても全然力が抜けなくてストレッチができないなんて人がたくさんいます。

    そう言った人のほとんどが、『体が疲れやすい』『肩や腰が痛い』と言います。

    これは上記でご紹介したの柔軟性と動脈の硬さの研究結果からも説明がつきます。

    いわゆる体が硬くて血管も硬いということは、筋肉や内臓、脳といった様々な器官や細胞に十分な酸素を送ることができていないということが考えられます。

    そんな体が酸欠の状態では体も疲れやすくなりますし、トレーニングしてから回復するまでの時間も長くなってしまうので、効率的な体づくりが難しくなってしまいます。

柔軟性を高めた上で運動しましょう!

ここまで読んでいただければ、体が硬いことが健康づくりにも体づくりにも非常にマイナスであるということがおわかりいただけると思います。

自分がクライアントに指導させていただくときも、この考えが根底にあるので、柔軟性を高めた上で運動することを重視しています。

とはいっても、開脚で前屈ができるまでトレーニングはしません!なんてことはやりませんよ(笑)

人それぞれ必要な柔軟性は異なるので、その人が求める目的を達成するために必要なレベルの柔軟性を高めていただくようにしています。

・人として本来動くべき関節がちゃんと動いているか?
・体が硬くて動かないことで痛みを抱えている部分はどこか?
・自分の体をコントロールできるだけの筋力と柔軟性のバランスがあるか?

柔軟性に関しても、大切なのはバランスです。

硬ければ先ほどあげたように様々な問題が起きやすいし、逆に柔らかすぎてもよくありません。

自分が本来持つべき柔軟性を高めながら運動を行うことで、体づくりも健康づくりも最大限の効果が得られますよ!

まとめ

以上のことをまとめますと、

体が硬い人は血管が硬くなることが明らかになっており、それが生活習慣病をはじめとした様々な現代病の引き金になる危険性がある。

体づくりでも健康づくりでも、柔軟性を高めた上で運動を行うことで、最大限の運動効果を得ることができる。

自分の体の硬さはどうですか?

筋トレもダイエットも大切ですが、ストレッチやマッサージも行いつつ健康的な体づくりを目指しましょう!!

 

参考文献

Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening/ Yamamoto. K et al (2009)

コメントを残す