茨城県つくば市でパーソナルトレーナーをしている川谷 響です。
以前、こんな記事を書きました!
フィットネス業界の中では、少し前からのトレンドとも言える筋膜リリースですが、
その効果・やり方には多くの誤解があるということを書きました。
これは正直、トレーナーの中でも正しく理解している人は少ないんじゃないかと思います。
それこそ、筋膜(世界的に正しくはFascia)をトップの方で研究している人たちからしたら、
そもそも筋膜だの筋膜リリースだのという言葉自体がナンセンスという人もいます(笑)
とはいえ、自分は一般の人でもイメージしやすいと思っているので、あえて筋膜リリースという言葉を使わせていただいています。
さて、筋膜リリースの効果の一つとして、身体の痛みがなくなったり、楽になったりといった効果があります。
そこでメディアや雑誌では、『肩こり・腰痛を良くする究極メソッド!』なんて言われたりもします。
確かに川谷も、肩こりや腰痛で来られたクライアントさんに対して、筋膜リリースを用いたアプローチをよく行います。
しかしながら結論をいうと、
筋膜リリースだけじゃ肩こり・腰痛を良くすることはできません!!
今回は筋膜リリースでは肩こり・腰痛が良くならない理由についてお話したいと思います。
筋膜リリースで肩こり・腰痛が治らない理由
そもそも筋膜リリースが何をしているのかを理解すれば、それだけで肩こりや腰痛が良くならないことは明確です。
筋膜リリースで痛みがなくなったり、楽になるメカニズムについては、冒頭の関連記事でも紹介しています。
改めてそのメカニズムをおさらいすると、力学的影響と神経生理学的影響が考えられます。
力学的影響とは、筋膜リリースによって硬くなって潤いが失われた筋膜が、
水を吸うスポンジのように組織の潤いを取り戻すことで動きやすさを得るという考え。
神経生理学的影響とは、筋膜リリースをすることで『痛い』『何かあたってる』という感覚が脳に伝わって、
感覚の閾値が変化することで体が楽に感じるということでしたね。
さて、これらの影響が筋膜リリースの効果として考えられるとすると、肩こりや腰痛に対してどう良くなるでしょうか?
結局これって、単にマッサージと変わらないですよね?
ちょっと過激な発言かもしれませんが、
筋膜リリース自体は、これまで多くの人がやったり経験してきたマッサージやストレッチとやりたいことは一緒で、
特別な方法でもなんでもありません!
体を揉んだり押したり伸ばしたりして、硬くなっている部分をほぐしましょうというわけです。
これまでそのフォーカスが筋肉だったのが、筋膜に変わっただけとも受け取れます。
では、マッサージやストレッチをして肩こり・腰痛が治った人はどれくらいいるでしょうか?
おそらく、やってもらったその時は楽だけど、明日になったら元に戻っている人が大半ではないでしょうか?
自分が指導させていただいているクライアントにも、これまでフィットネスクラブに通いながら整体も同時に通い続けていた
という人が少なくありません。
このようなことから、筋膜リリースでは肩こり・腰痛を根本的に良くするのは難しいと考えられます。
肩こり・腰痛を直すために必要な3つの手順
ここまで、筋膜リリースで肩こりや腰痛が良くならない理由をご説明しました。
ですが、誤解しないでいただきたいことがあります。
それは、筋膜リリースやマッサージを全否定しているわけではないということです。
筋膜リリースやマッサージも、肩こりや腰痛を良くする過程の中では、重要で効果的なアプローチです。
ただし、根本的に肩こりや腰痛を良くする、あるいは良くなってそれ以降またぶり返したりしないようにするには、
ちょっとそれだけでは足りないのです。
肩こりや腰痛を根本的に良くするには、主に3つの手順が必要です!
ここでは肩こりや腰痛の改善が目的のクライアントに、自分が実際にパーソナルトレーニングで行なっている3つの手順をご紹介します!
- 根本的な原因を見つける
- 動かないところを動かす(ほぐす)
- 使えないところを使う
①根本的な原因を見つける
まず、肩こり・腰痛が起きている根本的な原因を探ります。
肩こりや腰痛といった痛みの原因が患部それ自体にあるということはほとんど、というか全くもってありません!
肩こりや腰痛が起きてしまうほとんどの原因は、その部分が他のなんらかの要因によって過剰に使われてしまったり、
逆に身動きが取れない状況になってしまうことで起こります。
例えば、仕事でデスクワークが多い人は肩が前に出て下の写真のような姿勢になってしまいますね。
この状態だと、必然的に背中より胸の前が縮んで、肩周りの筋肉や筋膜が必要以上に伸ばされたまま、
重い頭を支えなければいけません。
腹筋も縮むので腰に負担もきてしまうでしょう。
このような日常よく取っている姿勢や動きに、根本的な問題がある可能性もあります。
あとは仕事や人間関係でストレスを抱えていて、呼吸が浅くなっているということも考えられます。
これ以外にも、肩こり・腰痛を引き起こす原因は人によって十人十色あります。
川谷が初めての方にカウンセリング体験していただく際は、
そうしたその人に当てはまる原因は何か?を徹底して診させていただいています。
- 姿勢が悪いのか?
- 呼吸が浅いのか?
- 体の使い方が悪いのか?
ではそれらの要因になっているものは何か?
- 仕事の業種なのか?
- 人間関係なのか?
- その人の性格なのか?
肩こりや腰痛を根本的に改善するためには、そうした部分をしっかりまずは掘り下げる必要があります。
②動かないところを動かす(ほぐす)
根本的な原因がわかれば、あとはそれを改善するための適切なアプローチを行います。
原因は人によって様々だというのは言いましたが、それには大抵決まったパターンがあります。
それは、体のどこかで上手く動いていないところがあるということです。
そのところをまずは動けるようにする、自分で動かせる状態を作るということが必要になります。
要は筋肉が硬くなっていたり、筋膜の滑りが悪くなっていたりするところを緩めてあげるということが大切なわけです。
この段階において、筋膜リリースやマッサージを発揮します!
③使えないところを使う
しかし、動かないところを動けるようにしただけでは、先ほどからいっているように肩こり・腰痛を根本的に良くすることはできません。
動かないところを動かせるようにしたら、その隙に使えなくなっていたところを”使える”ようにするアプローチが必要になります。
どういうことか?
長いこと同じ姿勢や体の使い方をしていたら、動かなくなっていた部分によって使われなくなっていた部分が必ずあるはずです。
先ほどのデスクワーク姿勢でいうなら、胸の前が硬くなって動かなくなっていたら、反対の背中側は上手く使えなくなってしまっていますよね?
例えば筋膜リリースをして、閉じていた胸がいくら開くようになっても、
背中はしばらくそんな胸が開いた状態なんてはるか昔のことで忘れてしまっているわけです。
なので、胸が開いた状態での体の使い方を改めて背中に教えてあげないといけないわけです。
このアプローチをあまり行わないので、肩こり・腰痛を根本的に良くすることができていないんだと考えられます。
このように、
- 根本的な原因を見つける
- 動かないところを動かす
- 使えないところを使う
という3つの手順を踏むことで、肩こりや腰痛といった痛みは根本的な部分から良くすることができます!
筋膜リリースはあくまで下ごしらえ!
話を筋膜リリースに戻しますと、要は筋膜リリースは肩こり・腰痛を良くするための下ごしらえの段階ということです。
名前的にもやり方的にも真新しいものだからといって、それだけでALL OK!というものは残念ながら存在しないわけです。
筋膜リリースもあくまで手段の一つですから、まずは自分の肩こり・腰痛の根本的な原因に目を向けてあげることが大切になります!
その上で筋膜リリースが効果的だと思ったら、是非取り入れることをオススメします!
まとめ
以上のことをまとめますと、
筋膜リリースで肩こり・腰痛を根本的に良くすることはできない。
肩こり・腰痛を根本的に良くするためには、
1. 根本的な原因を見つける
2. 動かないところを動かす
3. 使えないところを使う
という3つの手順を踏んで、そのなかで必要であれば筋膜リリースを取り入れるのがオススメ!
自分の肩こりや腰痛の根本的な原因を知りたいという方は、是非ご相談ください(^^)
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